愛犬との旅行は、日常を忘れて楽しめる、大切なイベントの一つです。
わんちゃんとの旅行を100%楽しむために、前もって準備をしておくことがあります。
それは、『しつけの準備』と『持ち物の準備』の2つ。それぞれにいくつかポイントがあります。
この記事では、獣医師でペットライターの桜井えみ先生に、愛犬との旅行に向けての準備のために必要なしつけ(トレーニング)や、必要なグッズに関して解説してもらいました。
旅行までの準備スケジュールもお伝えしていますので、愛犬との旅行を準備万端で楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
監修者:桜井えみ先生(獣医師資格保有 ペットライター)
旅行までにしておきたいトレーニング
旅行までにやっておきたいトレーニングとして、以下が挙げられます。
- 旅行時の移動手段のおでかけに慣らす
- クレートトレーニング
- 無駄吠えをしないこと
旅行までにできるようにトレーニング頑張るワン!
旅行時の移動手段のおでかけに慣らす
いきなり長距離の旅行をする前に、旅行と移動の手段が決まったら、まずは近場で同じ移動手段を使ってわんちゃん、飼い主さん共々おでかけに慣れて行きましょう。
・車移動に慣れていない場合は、車酔いをしてしまうわんちゃんも多くいます。
旅行の時だけレンタカーを借りて乗せるのではなく、事前にわんちゃんの様子を確認して、車に慣らす必要があります。
車酔いしてしまう子に対しては、日頃からちょっとしたドライブをして、徐々に距離をのばすようにします。
クレートにカバーをかけて外が見えないようにしたり、わざと狭いボックスなどに入れて体が動かないようにすることも有効です。色々と試してみて、わんちゃんに合った方法を探してみましょう。
また、もし車酔いがひどい場合には、わんちゃん用の酔い止め薬もありますので掛かりつけの動物病院で獣医師に相談してみてください。
・電車でお出かけする際には、クレートやキャリーの中でじっとしていられること、吠えないことが、とても大切となります。
・飛行機での旅行は、ハードルが高く慣れが必要なので、まずは車か電車での旅行にチャレンジしましょう。
旅行の行き先や手段については前回のこちらの記事を参考にしてみてください♪
獣医師監修【愛犬との旅行】旅行先の決め方、選び方、注意点|ポイントやわんこの性格別おすすめの旅先とは? – Withわん | 愛犬お出かけ口コミ(クチコミ)サイト
獣医師の桜井えみ先生に、愛犬との旅行先の決め方やポイント、わんちゃんの性格別のおすすめの旅先を解説してもらいました。以下では、獣医師の観点からおすすめの愛犬の性格別の旅行先を考えてみましたので、ご自身のわんちゃんの性格と照らし合わせて、愛犬と一緒に楽しく旅行をしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事では、おやつを使ったトレーニングのポイントを合わせて紹介しているので、しっかりトレーニングしておきましょう。
いずれにしても、最初から長距離の移動ではなく、数分・数駅程度から始めてみるのがおすすめです。
クレートトレーニング
移動時に加えて、旅行先でもクレートの中で落ち着いていられることが求められます。
旅行先では、クレートやキャリーでの移動が多くなります。
また、宿泊先では、お食事やお風呂の際に飼い主さんと離れることになり、お部屋ではクレートの中でわんちゃだけで待つという場面も少なくありません。
なお、わんちゃんだけで待てない場合は、飼い主さんが交代で食事をとったりしなければならなくなり、結構大変です。
普段から、ちょっとした時間に落ち着いて過ごしてもらうためにもクレートトレーニングをしましょう。
トレーニングは、まずは飼い主さんが見えている状態でクレートの中におやつを入れてわんちゃん自ら入ってもらう。
大人しくできたら、またおやつをあげる。
これを繰り返し、慣れてきたら少しずつクレートの中にいる時間を延ばして行きましょう。
飼い主さんの姿が見えなくなって不安になってしまう子には、クレートに飼い主さんの匂いのする着古した洋服やブランケットを入れておくなどの工夫も有効です。
飼い主さんの姿が見えなくなっても落ち着いて待っていられるようになれば成功です。
ペットアドバイザー によるクレートトレーニングの方法はこちら
【クレートトレーニングのやり方】成犬でも無理なく楽しく行う方法を専門家が解説!災害や旅行にも役立つ! – Withわん | 愛犬お出かけ口コミ(クチコミ)サイト
ペットアドバイザーの「こばヤン」さん解説。Q&A:成犬でもトレーニングできますか?A.できます! クレートトレーニングの基本、順を追ったステップ、注意点などを解説。愛犬に「クレート=安心できる場所」と思ってもらうことで、旅行のときだけではなく、災害時や普段の生活にも役立ちます。
無駄吠えをしない
旅先では、当然ながら、家族以外の知らない人にたくさん出会うようになります。
また、知らない場所、知らない匂いや空気。
新しいことづくしのスポットだと、緊張や興奮からわんちゃんが吠えてしまう場合があります。
吠えてしまうと周りに迷惑を掛けてしまうし、飼い主さん自身もハラハラしてしまい、楽しく旅行ができなくなってしまいますよね。
また、電車移動やレストラン、宿泊施設では『無駄吠えしないこと』などを条件に受け入れているところも多くありますので、吠えないことはとても重要です。
日頃から無駄吠えをしないようにトレーニングをしましょう。
おやつを使ったトレーニングのポイント
トレーニングは、できれば『子犬のうちからしっかりしつけておく』のが良いですが、では成犬は無理なのか?と言ったら、決してそんなことはありません。
きちんと手順を踏んで根気よく教えてあげれば成犬になってからでも十分にしつけることは可能です。
また、クレートの中で落ち着いていられることや無駄吠えをしないことは、旅行に限らず、日常のどんな場面でも役立ちます。
犬種やわんちゃんの性格によっても達成の度合いは違うかも知れませんが、わんちゃんと飼い主さん双方にとって良いことなので、ぜひチャレンジしてみてください。
こちらは、ヒューマングレードの高級エゾ鹿肉販売で愛犬家の中でも定評のある「Zasshu」さんのおやつを使ったトレーニング動画。
ドッグトレーナーの方がポイントを開設してくれています♪
トレーニングの基本は、『ほめておやつをあげること』で、これは誰が・いつ行っても、毎回おなじようにしつける必要があります。
1回で完璧にやろうとせず、毎日少しずつ行うことも大事です。
クレートトレーニングは、前述したように少しずつ時間を延ばしていくことを毎日繰り返してください。トレーニングは、飼い主さんもわんちゃんも根気がいります。
無駄吠えに関しては、吠えそうになる前に『おすわり』や『待て』などをさせ、できたら褒めておやつをあげるようにしましょう。
いつ、どんな時に吠えそうになるのかは、わんちゃんと接している飼い主さんが一番よく分かっているはずです。
ご主人様に褒めてもらえるのが一番嬉しいワン!
旅行のためにしつけるというよりも、旅行をきっかけにして「旅行に行くから頑張ろう!」と飼い主さんとわんちゃんが前向きになれるのも愛犬と旅行をすることの良さかもしれませんね。
旅行までに用意する持ち物
しつけと同様に大切な準備は旅行の際の持ち物です。
持ち物についても、旅行のために買い揃えるというよりも、前もって用意しておいて旅行までに『慣らす』必要があります。
ただでさえ、見ず知らずの場所、見ず知らずの人たち、匂い、雰囲気…と新しいもの尽くしの旅行。
できるだけ前もって揃えられるものは揃えておいて、慣らしておきましょう。その方が、わんちゃんも飼い主さんも安心できます。
知らない場所でも、いつも使っているアレがあるから安心だワン!
愛犬と安全に楽しく旅行するためには、まず最低限以下のものを準備しておきましょう。
- クレート
- キャリーバック
- 体にフィットしたハーネス・リード
- 食べ慣れた食事とおやつ
- おでかけ用おやつ
- ペットシーツ、ウェットティッシュ、マナーベルト
- 安心できるブランケットやおもちゃ
- 各種証明書
- 酔い止めや持病の薬など
これらのグッズは旅行前日に慌てて用意するのではなく、前もって慣らしておく必要があります。
愛犬との旅行は楽しいですが、普段とは違う環境なだけに、わんちゃんだけではなく、飼い主さんも慣れていないことでわんちゃんが余計に不安になってしまうことも考えられます。
わんちゃんも飼い主さんもせめてグッズに慣れていれば、旅行当日のストレスをかなり軽減することができ、旅行がより楽しいものになります。
また、各種証明書などは利用施設によって提示が求められるものがあるので、確認していつでも提示できるように、こちらもファイルなどにまとめておくようにしましょう。
長距離を車で出かける場合は、普段車酔いしない子でも疲れや緊張なども相まって吐いてしまう子も少なくありません。心配な場合は、前もって動物病院で酔い止めをもらっておくといいでしょう。
以下では、グッズについて旅行用と普段使いとはどんな違いがあるのか?旅行のためにわんちゃんをどのように慣らせば良いのか?などを一つずつ解説していきます!
クレート
クレートトレーニングは前述したように、旅行には欠かせません。
わんちゃんに少しの間お部屋で待ってもらったり、また、興奮してしまった際にもクレートに入って落ち着いてもらう時にもクレートがとても有効です。
「旅行の時に入ってもらう場所」ではなく、わんちゃんが「落ち着けるお気に入りの場所」として、普段からお家でもリビングに置くなどして慣らしておきましょう。
わんちゃんは、旅行先の慣れない場所でも、普段から慣れているクレートがあれば自分の居場所として認識するのでリラックスできます。
クレートは、一からのトレーニングなら扉が外せるタイプがおすすめです。
最初のうちは扉を外しておいて、いつでも外に出られる安心した状態からトレーニングを始めます。
大きさは、わんちゃんが中に入って360度向きを変えたりできるくらいのものが良いでしょう。
小さ過ぎると向きを変えることができずに窮屈さを感じます。
逆に大きすぎると、犬は元々穴ぐらで暮らしていた動物なのでリラックスできなかったり、クレートの中でトイレをしてしまう可能性があります。
ペットアドバイザー によるクレートトレーニングの方法はこちら
【クレートトレーニングのやり方】成犬でも無理なく楽しく行う方法を専門家が解説!災害や旅行にも役立つ! – Withわん | 愛犬お出かけ口コミ(クチコミ)サイト
ペットアドバイザーの「こばヤン」さん解説。Q&A:成犬でもトレーニングできますか?A.できます! クレートトレーニングの基本、順を追ったステップ、注意点などを解説。愛犬に「クレート=安心できる場所」と思ってもらうことで、旅行のときだけではなく、災害時や普段の生活にも役立ちます。
キャリーバック
旅行先では、クレートとは別にキャリーバッグやペットカートなど、わんちゃんを持ち運ぶものが必要になります。
とは言え、電車での移動だとそんなに何個も持っていけないので、カートとクレートの一体型のタイプや小さなわんちゃんならスリングなどを使うと良いでしょう。
こちらも、愛犬を持ち運ぶのに便利というだけでなく、キャリーバックを前もって慣らしておくことで『安心できる場所』と認識して、いつもと違う環境になっても落ち着いて過ごしてくれます。
日頃からキャリーバックに入れて過ごしたり、でかけるくせをつけましょう。
また、車移動の際には、シートに固定できるキャリーバッグが重宝します。
体にフィットしたハーネス・リード
いつもと違う環境の旅行先では、不安がったり逃げようとする子います。
そのため、旅行の時には特にしっかりと体にフィットしたハーネスを装着することをおすすめします。
旅行先で万が一逃げてしまった場合は、わんちゃんも「知らない場所」なので、自力でお家に戻ってくることが難しくなってしまいます。
考えたくはないですが、万が一に備えて、きちんと名前と連絡先を記載した首輪やマイクロチップもつけておくことも大切です。
また、車移動の時にはシートに取り付けられるハーネスも必須です。
食べ慣れた食事とおやつ
旅行先には、必ず食べ慣れている食事を持って行きましょう。
ホテルでわんちゃん用の食事を提供してくれるところもありますが、環境が変わって食事を取らなくなってしまう子もいます。
旅行先で何も食べないと体調を崩してしまいますので、食べ慣れたおやつも多めにもっていくといいですね。
緊張から水分をとらなくなってしまう子もいるので、ウェットフードや缶詰フードがあると便利です。
おでかけ用おやつ
また、わんちゃんが好きな「おでかけ用おやつ」を用意しておくこともおすすめです。
その場合も、旅行先でいきなりあげるのではなく、お家でスペシャルな機会を作って数回あげてみて、わんちゃんの体調に変化がないか?わんちゃんが気に入ったものなのかどうか?を見極める必要があります。
わんちゃんが好きな「おでかけ用おやつ」があれば、旅先で何も食べずに困った時などに重宝します。
また、特別な「おでかけ用おやつ」を使ったトレーニングをしておけば、おでかけ先でも新しいことにチャレンジしたご褒美にあげるのに効果的です。
ペットシーツ、マナーベルト
トイレ回りの準備も大切です。
宿や施設をきれいに使用することで、周りの人にも迷惑をかけずにすみます。
施設によっては、マナーベルトの着用を求められる場合もあります。
マナーベルトは嫌がる子も多いので、マナーベルトを使用するようなら日頃から装着する練習をしておいた方が良いでしょう。
安心できるブランケットやおもちゃ
お家や飼い主さんの匂いがついた安心できるグッズを用意しましょう。
いつも使っているおもちゃがあると、より安心できます。
ブランケットはクレートやキャリーに一緒に入れたりするのにも一役買います。
飼い主さんが着古して、もう捨ててしまうようなものでも愛犬にとっては宝物になります。触り心地の良いセーターなど、捨ててしまう前にいくつか試してみましょう。
各種証明書
狂犬病の予防注射証明書、混合ワクチンの証明書などが必要となることもあります。
事前に確認し、旅行に行く際にはまとめてファイルに入れてすぐに出せるようにしておきましょう。
一緒にノミダニ予防も行っておきましょう。自然が多い場所では、マダニの被害もしばしばみられます。
また、予防接種やワクチンは間隔を空けないと打てないものもあるので、旅行までのスケジュールもきちんと確認しておきましょう。
旅行までの準備スケジュール
トレーニングも、持ち物の準備も、「旅行の前日にすればいい!」というものではなく、ゆっくりと時間をかけての準備が必要です。
まず、しつけやトレーニングは旅先が決まらなくても漠然と「わんちゃんと旅行がしたい!」と思い立った時から、すぐに始めるのが良いでしょう。
トレーニングと並行して、旅先の情報を収集する中で、自分うちの子に関して特別に必要なものはないか?また旅行先の施設に関して、他にも用意するものはないか?など、細かく確認して行きましょう。
また、ワクチン接種などは間隔を空けて打たなければならないものもあるので、スケジュールを確認しながら準備を進めて行きましょう。
トレーニングやグッズに慣れるまでの時間は、わんちゃんそれぞれによってかなり違うので一概には言えませんが、最低でも旅行の2ヶ月前くらいから準備をして徐々に慣らしていくようにしましょう。
大好きなわんちゃんと旅行に行きたい!という思いがあれば、しつけが目的になってしまわない分、わんちゃんも飼い主さんも楽しくトレーニングができるはずです。
さらに楽しくトレーニングができた方が習得も早いです♪
【まとめ】旅行に向けての準備、しつけ、必要なグッズなど
旅行の準備をしっかり行うことが、愛犬との楽しい旅行へとつながります。
この記事では、愛犬との旅行前の準備を『しつけの準備』と『持ち物の準備』の2つに分けて準備の方法をみてきました。
どちらも旅行の前日に慌てて準備するようなものではなく、前もってゆっくり時間を掛けて準備することが重要ということをお伝えしました。
しつけの準備(トレーニング)
しつけの準備では、以下の3点について、トレーニングの仕方とともにポイントを解説しました。
- 旅行の移動手段でのおでかけに慣らす
- クレートトレーニング
- 無駄吠えをしないこと
記事の中で紹介した、おやつを使った効果的なトレーニングにもぜひチャレンジしてみてください。
持ち物の準備
持ち物も前もって準備をして、わんちゃんが慣れているものを旅行に持って行くようにしましょう。
この記事で取り上げたものは最低限用意したいものですので、この他にもご自身のわんちゃんに合わせて、また行き先や季節に合わせて必要なものを追加して行きましょう。
- クレート
- キャリーバック
- 体にフィットしたハーネス・リード
- 食べ慣れた食事とおやつ
- おでかけ用おやつ
- ペットシーツ、ウェットティッシュ、マナーベルト
- 安心できるブランケットやおもちゃ
- 各種証明書
- 酔い止めや持病の薬など
この記事を読んでくださっている。ということは、愛犬との旅行をお考えということですから、楽しい旅行のために、さっそく今日から少しずつ準備して行きましょう!
首都圏の獣医学部卒業後、都内の動物病院で獣医師として8年間勤務。現在は、獣医師の資格を持つペットライターとして各方面で活躍中です。
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